■「脳は死ぬまで成長する」ということです。かつて脳科学は「脳は3歳で決まる」といっていました。しかし、それは間違いでした。確かに1歳頃から脳の神経細胞は減っていきますが、いくつになっても脳には使われていない未発達な神経細胞が山ほど眠っています。使い方次第で、脳は一生、変化し、成長します。脳の役割を大きく8つに分けそれらを鍛えて成長させるには、

① 理解系は右脳を使おうこの脳番地は私たちが目で見たり、耳で聴いたりした情報を統合し、理解する役割を果たしています。この理解系脳番地を鍛える方法の一つは、 まず、部屋の整理整頓と模様替えです。空間に対する理解力を高めるためです。電車内の見知らぬ人の表情から、その人の気持ちや背景を想像するのもいいでしょう。とにかく文字情報から離れる時間を作って、自然を眺めることです。

② 運動系の脳は体を動かすときにつかう脳です。鍛えるためには、スポーツはむろん、料理、楽器演奏でも可能です。

③  視覚系脳番地 は、目から入った視覚情報を処理する脳番地です。ほとんどが後頭部にあり、右脳部分が「非言語情報」を、左脳部分が「言語情報」を処理しています。「理解系脳番地」と同様、現代人の「視覚系脳番地」は左脳部分ばかりが使われる傾向があります。鍛えるために、都市で生活していても、ぜひ朝日や夕日、月の満ち欠け、星の位置、天候、風景など、自然の変化を意識的に見てください

④ 聴覚系脳番地は、耳から入った聴覚情報を処理する脳番地です。ラジオを聴きながら、書き取る。本を音読しながら、手書きで写す。いずれも「運動系脳番地」や「視覚系脳番地」との連携が強化されるので、おすすめです。

⑤ 思考系脳番地、この脳番地は前頭葉にあり、思考、意欲、創造、計画といった高度な機能を担っています。また、五感を司る脳番地とも密接な関係を持ち、感情や欲望のコントロールもここで行っています。まさに「脳の司令塔」といえます。この脳番地が衰えると、判断力が低下します。買い物に行くと優柔不断で決めるのに時間がかかったり、2つのことが同時にこなせなかったりします。また、集中力が衰えるので、計画を立てたり、新しいことに挑戦する意欲が減退します。何をするにも「面倒くさい」と思いはじめたら、危険信号です。 新しい」ことに挑戦することが、「思考系脳番地」を目覚めさせます。

⑥  感情系脳番地は、喜怒哀楽を担い、「思考系脳番地」と密接に関係しています。 鍛えるためには、とにかく人に会うことです。人と会って、コミュニケーションを取り、感情を共有する機会を増やしましょう。平坦になってしまった感情に起伏を与えるのです。

⑦  伝達系脳番地は、誰かに何かを伝えるときにはたらく脳番地です。 鍛えるいい方法は、日記を書くことです。その際には、ちゃんとした日記を書こうと気負わないでください。何でもいいから、その日あったことを記録するだけで十分です。私も10年前から毎日その日にあったこと、食事の内容などを書いてます。日記をつける動機は、字を忘れないようにと去年の今頃は、その前年は何をしていたかを振り返るためです。

⑧  記憶系脳番地は、記憶する脳番地です。 鍛えるには、日記や手帳を一週間に一度ぐらいは見直して、自分が何をやったのか思い出すことです。要らないものを捨てる「断捨離」も有効です。ものを見ながら、過去を思い出し、それが必要か不要か判断しなければならないからです。