老人ホーム紹介センター東海の小川です。
ここ数日「7月12日~17日作陶展」の出展作品の窯焼きに集中しています。喫茶ギャラリーですのでそんなに出品数は多くありませんが、焼成終わった物をみながらこれは出そうか品しようか引っ込めようか一人で悩みながら選別しています。今回は黄瀬戸の食器等を出品します。古陶器から現代のものまでたくさん物があります。私も古典的な文様・形を参考にしていくつか作りました。
黄瀬戸とは、室町時代末期~安土桃山時代(十六世紀)岐阜県土岐市周辺で焼かれた美濃焼の一つ、鉄釉によるあたたかい黄色でおおわれているのが特徴。なかに硫化銅釉の緑で文様が施されたものもあります。
黄瀬戸には無地のものや線彫りが入ったもの、またそこに褐色の鉄釉や胆ぱんと呼ばれる緑釉をちらしたものなどがあります。黄瀬戸には主に鉢・茶碗ろいろな手のものがありますが、当時の「黄瀬戸」は「油揚手」(あぶらげで)という、ガラス質の光沢を取ってしまった油揚げの肌合いのような、つやのないなんともいえないやわらかい風合いの黄瀬戸です。現代の黄瀬戸の中にはつやがあったりいろいろな風合いの黄瀬戸がありますが、当時の油揚手の黄瀬戸は現代陶工が再現するのに最も難しいものです。油げ肌を出すのは窯の温度が非常に重要です。私の窯では1235度~1245度が適温です。それ以下ですと解け足らず、以上ですと光沢が出てしまい不満足な結果になります。窯の雰囲気でも色合いが大きく影響します。窯焚きは酸化焼成ですが、プロの作家さんたちは還元雰囲気で焼かれておられる方も見えます。土、釉薬の材料にもできに大いに関係します。アマチアの私は市販の材料をつかっています。